飲食店の厨房効率化の切り札として、業務用食洗器の導入を検討される経営者様は非常に多くいらっしゃいます。しかし、業務用食洗器は家庭用とは異なり、「購入して、コンセントを挿して、すぐ使える」というものではありません。そのパワフルな洗浄力を支えるためには、十分な「電源容量」と、適切な「給排水設備」が不可欠です。
もし、これらの準備を怠ると「導入したのにブレーカーが頻繁に落ちる」「洗浄時間が異様に長い」「排水が詰まって水浸しになった」といった深刻なトラブルに見舞われかねません。これは業務用冷蔵庫や製氷機 業務用など、他の大型厨房機器にも言えることですが、特に高温の湯と大量の水を扱う食洗器は、設備への要求がシビアです。
この記事では、厨房設備のプロフェッショナルである私たち株式会社Y・U・Sが、業務用食洗器の導入前に必ず確認すべき「電源・給排水」の工事チェックリストを徹底解説します。
なぜ設置工事が「家庭用」と全く違うのか
家庭用食洗機は、多くが100V電源で動作し、キッチンの既存の給排水から分岐して接続することが想定されています。しかし、業務用食洗器が求められる現場は、スピードとパワーが命です。
- パワー(電源):
数十秒から数分という短時間で洗浄サイクルを終えるため、瞬間的に大量のお湯を沸かす(または保温する)強力なヒーターや、高圧で水を噴射する大型ポンプを動かす必要があります。これには家庭用とは比較にならない大きな電力(アンペア数)が必要であり、多くの場合「三相200V」といった特殊な電源が要求されます。 - 水量(給排水):
短時間で大量の食器を洗うため、一度に使用する水の量が膨大です。それに耐えられる給水管の太さと水圧、そして高温の排水を一気に流せるだけの排水管のキャパシティと耐熱性が求められます。
これらの条件を満たしていない場所に無理やり設置しても、食洗器は本来の性能を発揮できず、最悪の場合、店舗のインフラ全体にダメージを与えてしまいます。
【チェックリスト1】電源・電気工事
厨房内には業務用冷蔵庫や冷凍 冷蔵庫(業務 用)、フライヤーなど、すでに多くの高電力機器が存在します。食洗器という「大飯食らい」を追加できるか、以下の点で確認が必要です。
- □ 電圧と相(V・φ)を確認したか?
食洗器には「単相100V」「単相200V」「三相200V」など、機種によって必要な電源が異なります。特にパワーの大きいドアタイプやコンベアタイプは「三相200V」が主流です。店舗の分電盤に、その電源が来ているか、来ていなければ電力会社への申請と幹線引き込み工事が必要かを確認します。 - □ 専用回路(ブレーカー)を確保できるか?
業務用食洗器は、必ず「専用回路」で接続する必要があります。他の製氷機 業務用や電子レンジなどとタコ足配線(テーブルタップ)で共有することは絶対にできません。分電盤に空きがあり、そこから食洗器の設置場所まで専用の配線を引けるかを確認します。 - □ 契約アンペア数(容量)は十分か?
店舗全体の契約アンペア数(容量)も重要です。既存の機器(業務用冷蔵庫やエアコンなど)がフル稼働するピークタイムに食洗器を動かしても、全体のブレーカーが落ちないか。容量が足りなければ、契約アンペア数の変更(増設)工事が必要です。 - □ ブースター用の電源は考慮したか?
高温すすぎを実現するために「ブースター(湯沸かし器)」を外付けする場合、そのブースターにも別途電源(多くは三相200V)が必要になることがあります。本体とブースター、それぞれに専用回路が必要になるケースも多いため、見落とさないよう注意が必要です。
【チェックリスト2】給水・給湯工事
洗浄時間を短縮し、洗浄効果を高めるには「高温の湯」が鍵となります。
- □ 「給水」接続か「給湯」接続か?
食洗器には、水道水(冷水)を接続する「給水接続」タイプと、厨房の給湯器(お湯)を接続する「給湯接続」タイプがあります。給湯接続タイプに冷水を繋ぐと、本体ヒーターの負担が激増し、洗浄時間が長くなり、電気代もかさみます。 - □ 適切な湯温を供給できるか?
「給湯接続」の場合、多くの機種が60℃〜80℃の湯を供給することを推奨しています。厨房のメイン給湯器の能力が十分か、または食洗器専用の小型給湯器(または前述のブースター)を設置する必要があるかを判断します。 - □ 給水管の太さ(水量)は十分か?
パワフルな洗浄には、十分な「水量(水圧)」が必要です。配管が細すぎると、タンクに水(湯)が溜まるまでに時間がかかり、洗浄サイクルが遅れる原因になります。 - □ 止水栓は設置されているか?
万が一の水漏れやメンテナンスに備え、食洗器のすぐ手前に専用の「止水栓(バルブ)」を設けることが必須です。
【チェックリスト3】排水設備工事
見落としがちですが、最もトラブルが多いのが排水設備です。
- □ 排水管は「耐熱仕様」か?
業務用食洗器は、80℃を超える高温の湯を排水します。通常の塩ビ管(VP管)では熱で変形・破損する恐れがあるため、必ず「耐熱HT管」を使用する必要があります。 - □ 排水管の「勾配」と「位置」は適切か?
排水は自然流下が基本です。食洗器の排水口から床の排水溝(または排水管)まで、スムーズに流れるための適切な勾配(下り坂)が取れているかを確認します。床の排水口が食洗器から遠すぎたり、位置が高すぎたりすると、排水ポンプが別途必要になる場合があります。 - □ グリストラップへの接続は必須!
飲食店では、厨房の排水は必ず「グリストラップ(油脂分離阻集器)」を通す必要があります。油汚れを含んだ高温の排水を、直接下水管に流すことは法令違反であり、深刻な詰まりの原因となります。食洗器の排水が、適切にグリストラップに接続されているか、または接続可能かを確認します。
複雑な設備工事こそ、ワンストップのY・U・Sへ
ご覧いただいた通り、業務用食洗器1台を導入するだけでも、電気工事、水道(給湯)工事、ガス工事(ブースターや給湯器がガスの場合)、排水設備工事と、多岐にわたる専門知識が必要です。
「食洗器はA社、電気はB社、水道はC社…」とバラバラに発注すると、連携ミスによるトラブルや、中間コストの発生で、結果的に費用も時間もかさんでしまいます。
私たち株式会社Y・U・Sは、業務用冷蔵庫や**冷凍 冷蔵庫(業務 用)**などの冷蔵機器、熱機器から、水道設備、電気設備、空調設備まで、厨房づくりの全工程を各領域の専門スタッフが担当します。
販売から設置・保守まで自社でワンストップ対応。だからこそ、中間コストを省いたリーズナブルな価格帯で、お客様の厨房全体を見据えた最適なご提案が可能です。
その施工品質は、ホシizaki様や大和冷機工業様といった業界トップからも継続的にご依頼をいただく高水準。保守体制もメーカーと提携し万全です。
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